京大卒カリスマニートに、自分の価値基準で自由に生きる方法を学ぶ - 『持たない幸福論』
といった世の中の規定するプレッシャーに少しでも違和感を抱いたことがある人は、読んでみると新しい発見があるに違いない。
○自分のペースを保って生きる
本書の著者であるphaさんのことを知らない人もいるかもしれないので、簡単にphaさんの経歴を紹介をしておこう。phaさんは京都大学を6年間かけて卒業し一般企業に就職するものの、「働きたくない、だるい」という気持ちが強くなり数年で会社を辞めた。それ以降は定職につくことなくブログを書いたりWebサービスを作ったりして暮らしている。大学時代の寮生活の経験を活かし「ギークハウスプロジェクト」というシェアハウスプロジェクトの発起人になったりもしている。
phaさんはカリスマニートとよく言われるが、いわゆる親のすねをかじっているニートと違ってphaさんは自活しているので、そういう意味ではニートというよりフリーランスといったほうが実際には正しい。しかし、精神的にはやはりニートに近い。たとえば、多くのフリーランスがお金はしっかり稼ぎたいと考えるのに対して、phaさんはお金よりも圧倒的に時間に重きを置いている。
phaさんにとっては、毎日会社に決められた時間に通ってしっかりお金を稼ぐことよりも、たとえ収入は少なくとも自分のペースを保って生活に実感を持ちながら暮らすことのほうが遥かに大切だからだ。