京大卒カリスマニートに、自分の価値基準で自由に生きる方法を学ぶ - 『持たない幸福論』
○自分の価値基準を持つことの大切さ
現代日本の価値基準からすると、phaさんのような生き方には実際のところ批判も多いだろう。「若いものがそうやってダラダラ暮らしているなんてけしからん」「人間は仕事をしてこそ一人前だ」「若いうちはなんとかなるかもしれないが、老後はきっと困るはずだ」といった忠告が今にも聞こえてきそうである。
しかし、こういった忠告は、実際のところ社会や世間が規定した「こうあるべきだ」という一つの価値観に基づくものでしかない。毎日会社に通って生活に十分なお金を稼ぐことができても、自分のペースを保って働くことができないのであればそれは見方によっては大きな不幸だと言える。結局、大事なのは自分が何をしているときにいちばん充実や幸せを感じられるかといった価値基準の問題にほかならない。世間のプレッシャーに流されて、それで本当に自分が幸せだと感じられることができないのだとしたらそれは大きな問題だ。
「正社員にならねば」「結婚しなければ」「子どもを作らねば」といった「こうあらねば」が日本社会にはたくさん存在している。これが本当に自分の本心から来ているものであればいいが、ただ世間のプレッシャーに負けてそう思い込んでいるだけだとしたら、本書を読んで、一度自分の価値基準を考えなおしてみてもいいのかもしれない。