京大卒カリスマニートに、自分の価値基準で自由に生きる方法を学ぶ - 『持たない幸福論』
○知識は人を自由にする
『持たない幸福論』という書名があらわすように、本書の基本的なテーマは「世間の価値観ではなく自分の価値観に照らして、必要ないものは持たない」というものだが、それでも例外的に持つことを推奨されているものがある。それは「知識」だ。具体的には、読書をすることが強く推奨されている。
これは僕も強く同意したい。人は知識を得ることで、今の時代の価値観を相対化して見ることができるようになる。読書をして知識を得ることは、自分の価値基準を持つことに大きく資するはずだ。本書でも言われているように、読書にはほとんどお金がかからないというのもいい。
実は本書は、良質なブックガイドとしても利用できる。
本文中では多くの本が参考文献として取り上げられているが、いずれも面白い本が多いので興味を持った人はぜひそちらも読んでみて欲しい。日野瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。