庵野監督「お金よりもまず気持ち、愛が大事」12名のクリエイターがアニメ業界の今後を語った「日本アニメ(ーター)見本市 初号上映会」
本稿ではトークの内容を中心にレポートしていく。
口火を切ったのは、今年5月末に庵野監督が発した「アニメ業界はあと5年で限界を迎える」という言葉の真意を尋ねる質問からだった。
庵野監督は「(あと5年くらいで限界という発言は)そういうつもりで言ったんじゃなかったけど、トピックとしてまとめられてそうなってしまった」と苦笑いしながら、「厳しいのは厳しいですよね。展望がないわけじゃないと思いますが、業界全体のシステムが厳しい。ビジネススキームが難しいし、人も来ない。何とかなるんじゃないかなというのと、何ともならないんじゃないかというのがせめぎ合っています」と胸の内を明かした。
これに、アニメ研究家である氷川氏は「マンパワーの問題で、企画が増えても人が増えていないんです。諸外国は日本も何倍も人口があるところがアニメを始めたりしていて、マンパワーで負けそうです」とコメント。
川上会長も「アニメは社会的影響力のわりに産業規模が小さく、制作環境の犠牲のもとにタイトル数がどんどん増えている状態。このままの形だと業界規模が大きくなっても現場が厳しいので、そこを変えていければいいのでは」と業界の将来を危惧する。