『100ワニ』上田監督夫妻「誰も否定しない物語に」 互いの長所を生かして制作
湖川友謙先生が意見をくださったり、何回も何回も直して、今のストーリーになるのにすごく時間がかかりました。
●背中を“押す”のではなく“さする”映画に
――後半のオリジナルの部分は、コロナ禍でガラリと脚本を変えたそうですが、どのように変えたのでしょうか。
上田監督:初稿は原作に忠実で、原作を再構成したものが95%くらいで、最後の5%くらいが後日談でしたが、コロナ禍が本格的になり、ワニがいなくなってから残された人々がどうするかという物語を見たい、その先の物語を書かなければと思い、後日談を大幅に書き足しました。最終的に半分半分くらいバランスになり、タイトルも変えました。
――当初は原作のタイトル『100日後に死ぬワニ』にしようと?
上田監督:そうです。
――『100日間生きたワニ』にした理由や思いを教えてください。
上田監督:まず、半分がオリジナルのストーリーに変わっているので、タイトルも変えるべきだと思いました。そして、映画を見終わったときに『100日間生きたワニ』というタイトルを見たら、見る前と受け取り方が変わるのではないかなと、その感覚を得てほしいと思ったんです。
もう一つ、これは後から気づいたことですが、原作の最終話が終わったときに、「これは100日間生きたワニの話だったんだな」