この個性を世界に! イタリア人に「名古屋めし」はウケるか--ミラノ万博より
○叶わなかったあんかけスパの夢
ただし今回の万博では、味噌カツ、味噌煮込みうどん、どて、といった名古屋めしの中でもインパクトの強いメニューは、現場での調理体制や食材の供給といった事情から、残念ながらラインナップに加えられなかった。また、手羽先にしても代表格の「風来坊」「世界の山ちゃん」のそれと比べるとピリ辛さは控えめでかなり優しい味つけになっていた。
個人的には、名古屋で独自の進化を遂げたあんかけスパがパスタの本場でどう評価されるかを知りたかった気もするが、これもラインナップからはもれていた。異国での限られた環境下では、本場(名古屋)の本物を味わってもらうには大きなハンディがあり、その中でもできたて料理を多数提供したスタッフには敬意を表するが、フェアでの試食はあくまで名古屋めし入門編といった内容だった。
とは言え、この試みが名古屋めしに興味を持ってもらうきっかけづくりになったことは確か。日本館の常設展示でも「うまみ」こそが日本食の最大の特色であることがアピールされており、うまみの濃さを特徴とする名古屋めしは、独特と言われながらも実は日本食らしさを最も分かりやすく感じられる料理。