2015年8月25日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (25) カレー沢薫が語る「恋愛」~壁ドンは本当にときめくのか~
今回のテーマは「恋愛」。ときめくシチュエーションや、それをどのように作中に入れ込んでいるか、についてだ。
こんなの、童貞に「女とは何か」と聞いているようなものである。
色んなところで再三言っているが、「モテない」というのは、異性にことごとくフラれているという意味ではない。そもそも異性との接触がなく、フラれるところにすらいけないのだ。それ以前に卑屈をこじらせているので、「私に好かれても迷惑だろうから」と好きになるところにさえ到達しないのである。かと思えば、平素全く異性と接点がない故に、あいさつされただけで好きになってしまったりもするのだが、もちろんそこから何らアクションすることはない。とにかく人様に語って聞かせるような話がないのだ。
○ときめく作品には御法度の「照れブレーキ」
商業誌での仕事に限らず、漫画などの創作をやる人間になって良かったなと思うのは、恋愛のように現実ではできなかったことを、フィクションの中で思う存分やって、余計むなしくなれるところである。
私の漫画を読んだことがある人なら、ときめきなどとは全く無縁なものばかり描いているじゃないかと思われるかもしれない。だが、実は女性がときめくような物を描きたいとずっと思っているし、描こうとしている。