2015年8月27日 15:15
日本企業が抱える人材育成の課題とは? "出る杭"の育て方
彼がおもしろいのは、コストダウン一つとっても、ただ安くさせるのでは気が済まないんです。コストダウンをお願いする部品メーカーさんが、さらに成長の機会を得るような方向に必ず持っていこうとします。新しい技術を伝えて「こうしたら採用できる」と提案するなど、部品調達にそこまでするのか、ということをしていました。
――コストダウンを要求するのに相手の成長を考えるなんて、それこそ「ありふれていない」ことですね。
そうでしょう。だからこそ部品メーカーさんも「ソニーのために」と思って素晴らしい部品をつくってくれて、それが製品力の源泉になっていました。こうした発想は、いつでも通用する、普遍的に「正しい」ことです。
この「正しさ」が日常的にあった会社だからこそ、ソニーはあれだけ爆発的な成功を収めることができたわけです。
ところが、いまの日本は、企業に限らず、家庭でも学校でも「正しいあり方」を持つ人材を育てられていません。これが教育の大きな課題です。
○本質を突き詰める「出る杭研修」
――横田さんが始められた「出る杭研修」は、どのような研修なのでしょうか?
出る杭研修の基本的な思想は「深く」「広く」