『劇場版 弱虫ペダル』原作者・渡辺航が明かす、会話劇とシナリオ制作「この状況後に何を喋るか、誰が託して誰が勝つか」
だから、アニメスタッフ側で削ってくれればいいと思って、僕としては多めの量をお渡ししたんですが、「ちょうどいいです」と言われて(笑)。結構な情報量が入るなと驚きました。
――劇場版の見どころを教えてください。
ネタバレにかかわってしまうのでマイルドなところでいうと(笑)、新キャラクターの吉本進です。怪我でインターハイに出られなかったというバックグラウンドを持つ彼が、今回のレースでどう暴れるか……というところ。ホスト校の意地も魅力の一つです。
――吉本はどういう発想で生まれたキャラなのでしょう。
熊本台一はネタキャラポジション的なところがありますけれど、もちろん彼らの中にもインターハイでの目標があって、いろいろ練習を積んできたという背景がある。
そんな彼らの中に「もし、辛い部分があるとしたら何だろう?」と考えたんです。怪我でレースに出られないというのは、実際のロードレースでもよくあることなんですが、漫画だとフルコンディションで出ないと面白くないので、僕の漫画の中では全員がフルコンディションで出ているという設定にはなっています。
でも、そうじゃないチームが一つあった方がリアルだし、熊本台一にそういうキャラクターがいてもいいんじゃないかと。