2015年9月30日 11:00
2030年に向けた国内大学のパラダイムシフト (4) 対象マーケットの転換 - ダイバーシティの実現
前回において、外部環境変化に伴い競争原理が生まれること。その結果、国内大学のあり方は一変し、多くの大学では出口指向に立った教育プログラムに転換していくことを示唆した。
今回は、学生獲得という観点からどのような対象が潜在的な志願者として存在し得るか、という点について解説をする。
○大学入学年齢は本当に18歳が多数を占めるべきなのか
我が国では、大学入学時の年齢というと18歳をイメージする方が大多数を占めるのではないだろうか。しかし、この状況は世界から見ると決して"当たり前"とは言えない。
文部科学省の資料によれば、日本において25歳以上で大学に入学する学生の割合は約2%であり、OECD各国平均の約20%と比した際に、極めて大きな差が存在する1。
他国ではキャリアチェンジや学び直しなど、年齢に囚われない多様な学生が大学に入学していることが伺え、世界の大学が対象としている学生層と、国内の大学が対象としている学生層が大きく異なるのである。
加えて、内向きのグローバル化という点も他国とは異なる。
同じく文部科学省の資料を見ると、日本の大学が受け入れる年間留学生数は14万人弱(2011年)