くらし情報『フォントから考える (3) 世界の“普通”をつくったHelvetica (1)』

2015年10月8日 12:00

フォントから考える (3) 世界の“普通”をつくったHelvetica (1)

「W」の横幅が大きく異なっていますが、Helveticaは大文字の横幅がある程度揃えられているので、気になりません。これによって、Helveticaはいかなる文字の並びを組んでも、ある程度統一された文字の佇まいをつくることができます。

これ以上の詳細は省きますが、Helvetica、Gill Sans、Futuraの違いは、一般に以下のようにまとめられています。

Gill Sansはサンセリフ書体の中でも、ヒューマニスト(人文主義)と呼ばれるジャンルにあり、雑にいえば古典的なローマン体の形を踏襲したサンセリフ書体で、人の手書きのイメージを残した造形となっています。一方、Futuraはジオメトリック(幾何学)と呼ばれ、定規とコンパスによって書かれたような、シャープな印象です。

Helveticaはそれらの中間体として構想されています。ヒューマニストもジオメトリックも、それぞれに特徴的な造形をしています。片方は手のクセが強く、もう片方は逆に手の印象がなさすぎてクセがある。
Helveticaは、ヒューマニストほど人の手の印象はあまりないが、ジオメトリックほどやりすぎる印象ではないもの、まさに中庸な書体として設計されており、そのバランスが完璧な書体だ、ということになります。

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