LCCが望む空港は日本で実現するのか?--エアアジア・ジャパンと中部空港より
LCCバスの拡充や鉄道アクセスの整備、航空乗継特別運賃など、今後さらなる工夫や充実を図る必要がある。
また、日本の空港のほとんどは国・県の管理であり、国交省は着陸料等での差別的取り扱いを行わないよう指導している。民営である成田・中部・関西も国が事業計画の認可権をもつのでこれに従わざるを得ず、新規航空会社誘致に知恵を絞るにもなかなかネタが限られてしまうのが現状だ。
エアアジア・ジャパンは2011年にANAと合弁で設立し、2012年8月に成田=新千歳線などに就航したが、業績不振や方向性の違いにより2013年に合弁を解消。同年に日本市場から撤退した。「日本事情」を3年間知り尽くした新生エアアジア・ジャパンが中部でどんなLCCとなるのか、同空港に就航する他の航空会社との公平性を維持しつつ空港がどのように地元LCCを育成していくのか、大きな興味を持って見守っていきたい。
○筆者プロフィール: 武藤康史
航空ビジネスアドバイザー。大手エアラインから独立してスターフライヤーを創業。
30年以上におよぶ航空会社経験をもとに、業界の異端児とも呼ばれる独自の経営感覚で国内外のアビエーション関係のビジネス創造を手がける。