2015年10月19日 12:00
フォントから考える (4) 世界の“普通”をつくったHelvetica (2)
身近な「フォント」を読み解いていく本連載。第4回は、前回に引き続き、欧文フォントの大定番といっても過言ではない「Helvetica(ヘルベチカ)」についてです。
前回は、世界中のさまざまなところで使われているHelveticaの魅力について、このフォントの幅広い利用用途や他のフォントとの比較を交えて語っていただきました。今回は、一見すると“普通”のルックスであるHelveticaがどうして、言語の壁を越えて世界的な標準フォントとなりえたのか、エディトリアルデザイナーの佐々木未来也さんに解説していただきます。
佐々木 未来也(Mikiya SASAKI)((株)コンセント デザイナー)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士。2013年株式会社コンセント入社。月刊雑誌、社内報、書籍などのエディトリアル/グラフィックデザインに従事。現在はWebデザイン、サービスデザインに携わるかたわら、全天球映像作家 渡邊課にて、新しい映像表現の探求をおこなう。
○Helveticaはなぜ世界の標準に?
Helveticaの成功の理由を語ることは非常に難しいです。Helveticaが優秀だったから、というだけでは、他にも優秀な書体は数多くありますし、「完全に美しいから」