2015年11月7日 09:13
大地震時の運航判断も……JALの運航統制責任者の苦労とは
月に1回のミーティングで情報交換を行っています。また、我々は8時~17時と15時半~翌朝9時のシフト制で、業務中は1人で働いています。ですから、シフトを交代する時にも、その日に起こったこと、その日の判断についての意見など情報を共有しています。
●過酷だった、ネパール大地震時の対応
○アクシデント時の"判断"も
――今までの運航で、大変だったことはありましたか
2015年4月25日に起きたネパールでのマグニチュード7.8の大地震の時は、大変でした。というのも、JICA(独立行政法人 国際協力機構)から救援隊を現地に送りたいという要請があり、一刻も早くフライト
させなければならなかったのです。当初はネパールのカトマンズ空港直行のチャーター便運航を考えていたのですが、その時点でカトマンズ空港は閉鎖されてしまっていました。なるべくリスクを減らすためにも、その空港の経験を持つ乗務員が担当する方が良いのですが、カトマンズ空港の着陸経験を持つ運航乗務員も出払ってしまっていました。幸い、カトマンズへの乗継空港として利用できるバンコク空港の経験者であれば、機材・乗員とも確保できるので、バンコクへの運航を打診し、了解を得て、運航を決定。