くらし情報『妊娠中の抗てんかん薬投与が子供の学習/記憶障害を引き起こす可能性-九大』

2015年11月20日 11:41

妊娠中の抗てんかん薬投与が子供の学習/記憶障害を引き起こす可能性-九大

投与しなかった場合と比べて、その後の胎仔の脳において通常より多くのニューロンが神経幹細胞から産生されるとともに、神経幹細胞自体の増殖が抑制されることを発見したという。

また、胎仔期VPA曝露マウスでは成体期における神経幹細胞の数が少なく、それに伴って新生されるニューロンの数が減少すること、ならびに新生ニューロンの形態的・機能的な異常があることも発見。こうしたマウスでは学習・記憶機能に異常があることも確認したとする。

されに研究グループでは、この障害はどのように改善することができるのかについての調査も実施。これまでの研究から自発的な運動が、海馬におけるニューロン新生を亢進させる作用があることが分かっていることから、胎生期VPA曝露マウスの飼育箱に回し車を設置し自発的な運動を行わせた結果、成体海馬で神経幹細胞の増殖やニューロンへの分化が促進するのみならず、新生ニューロンの形態的、機能的な異常も改善できることが分かったほか、マウスの行動解析より学習・記憶機能が改善することも確認されたという。今回の成果を受けて研究グループでは、胎生期VPA曝露による成体期認知機能障害のメカニズムが明らかとなったことに加え、自発的運動といった薬物治療に頼らない方法で、その晩発性影響を改善できることが示されたとしつつも、この知見をヒトに応用する場合、運動療法をどの程度の強度、期間で行うかなど、検討すべき点が多くあるため、今後は神経幹細胞への晩発性影響がどのような機序で引き起こされているのかをより詳細に明らかにしていくことで、自発的運動による改善法に加えて他の改善方法の開発を行い、それらを併用していく必要があるとコメントしている

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