にゲストスピーカーとして登壇したのは医師・産業医である佐野正行氏だ。佐野氏は個人・法人の健康をサポートするメディカルアンドナレッジカンパニーの代表でもある。
「従業員のメンタルケアは、企業の生産性向上にもつながる」と佐野氏は言う。アメリカの調査で、従業員のうつ病の改善に伴う欠勤の減少と生産性の向上による企業の利益は、うつ病治療強化に必要なコストを上回り、2年間での投資収益率は302%になった結果があるそうだ。うつ病対策の1億円を惜しむと、生産性低下により4億円を損するという計算になる。
「ストレスチェック制度の導入について、さまざまなご質問を企業担当者の方からいただいていますが、『せっかくの機会なのでこの制度を活かしていきたい』と前向きに捉えてくださる方が多くいらっしゃいます。12月に慌てて実施する必要はなく、1年のうちに1回実施すれば良い制度なので、それぞれの企業に合った形をゆっくり考えていけばいいと思います」(佐野氏)
ストレスチェック制度を社員の健康づくりのために運営していくポイントとして、佐野氏は次のように話した。「従業員の方がストレスチェックにより自分の状況に気づき、病院にわざわざ行かなくても、産業医と面談できることがストレスチェック制度の特徴です。