産業医は精神科医と比べてその会社の労働環境や雰囲気、仕事内容を知っていますので、実践的なアドバイスがしやすい立場です。企業はぜひ相談しやすい環境を整備してください。ただし、中にはおざなりな産業医もいますので、自分の会社に合っているのか、見極めることも必要です」(佐野氏)
また、ストレスチェックを活かしていくためには、経年的にデータを取ることも重要だと言う。変化を見ることで、危険の兆候をより分かりやすくするためだ。ただし、繁忙期のデータと閑散期のデータでは差が生まれてしまうことはもちろん、朝と夜でも気分が違えばストレスチェックの結果は変わってきてしまう。条件をできるだけそろえることが必要になる。
○ストレス対策は食事から
個人がストレスを減らすための具体的な方法として、佐野氏が最初に挙げたのは睡眠だ。
「残業が増えたことで精神が不調になる大きな原因は、睡眠時間の減少にあります。
残業が増えたときは、一目散に家に帰って、お風呂に入ってすぐに寝てください。食べてすぐに寝ると睡眠の質が最悪になりますので、ご飯は後回しでもいいです。会社にいるときでも食事はできるでしょうから」(佐野氏)
「食生活の改善は対策として効果的か?」