藤井道人監督、再び『新聞記者』に挑んだ理由 米倉涼子の座長ぶり、綾野剛・横浜流星への信頼も語る
米倉さんが真ん中にいてくださったからこそ、僕は俳優部全員とガチンコで戦えたと思っています」としみじみ。
さらに「感情でお芝居をされる方」と米倉について分析。「松田が『権力に屈しないといけないんですか?』とデスクに食らいつくシーンがあります。そこで米倉さんは、バーッと涙を流した。台本には“涙を流す”とは書いていなかったんです。カットがかかった後、米倉さんは『泣くつもりじゃなかった。ごめんね』とおっしゃっていましたが、僕はその芝居にものすごくグッときました。松田として生きているからこそ、出た涙だった。
すばらしかったです」と語るように、米倉が松田の繊細な心の揺れまでを表現している。
●綾野剛と横浜流星は「自分と似ている」
○■綾野剛のストイックな姿勢に感心
エリート官僚の村上真一役には、前作『ヤクザと家族 The Family』、ドラマ『アバランチ』でも共に戦ってきた綾野剛を藤井監督自ら抜てきした。「『ヤクザと家族 The Family』は繊細さや野生味など、どちらかというと剛さんの素に近い部分を撮ることができた映画。今回の村上役は、剛さん本人とはものすごく遠いところにいるキャラクターだと思います」