藤井道人監督、再び『新聞記者』に挑んだ理由 米倉涼子の座長ぶり、綾野剛・横浜流星への信頼も語る
と綾野にとっても新境地となる役柄となった。
村上は「国民に尽くす」という理想に燃えて経済産業省に入省しながらも、次第にその理想が崩れ、苦境に立たされていく役どころ。綾野は肉体改造にも励み、村上の葛藤を体現した。タッグを重ねている綾野について、藤井監督は「剛さんのお芝居のアプローチは、精神から追い込んでいくようなやり方。村上は自分の信じていたものが壊れて、だからこそ食事も喉が通らなくなり、痩せていく。剛さんは、いつもキャラクターのメンタルを考えながら身体づくりをしていくんです。村上の精神に寄り添うことはとても孤独な作業で、相当大変だったと思います」とストイックな姿勢に感心しきり。
本作のイベントでは綾野が「ベスト3に入るぐらい精神的にキツい役だった」と苦笑いを浮かべるひと幕もあったが、藤井監督によると「4日間くらい水抜きをしていましたし、本当に大変だったはず。
でも剛さん、ものすごく楽しそうでしたよ(笑)」とのこと。「『ヤクザと家族 The Family』で剛さんと信頼関係が築けたからこそ、村上役をお願いできた。“初めまして”の方にはなかなかお願いできない役です」と打ち明け、「剛さんはとても誠実な方。