2015年12月22日 09:43
竹中平蔵氏が語る、「お金」と「日本の未来」の見据え方
「これまで日本の農業は、企業が参入できないことから輸出もできず、IT投資も遅れているといった状況だった。これは医療の分野でも言える。日本では過去36年間、新しい医学部は一つもつくられていない。それが36年ぶりに成田空港の近くにできることになった。また、インフラの運営権を民間に売る動きもある。東日本大震災で津波の被害にあった仙台空港は、地域開発の拠点として、東急建設と前田建設に運営が任されることになった。関西空港も、オリックスとフランスのヴァンシが第一交渉権者として確定している。これは、世界でも注目されているコンセッションだ」(竹中氏)
最後に、竹中氏は次のように語って、講演を締めくくった。
「日本に来る外国人観光客は昨年1300万人だったのに対し、今年は1900万人を超えると言われている。さまざまなチャンスの最後の決め手が2020年のオリンピック・パラリンピックだ。今アジアには中間所得層が5億人いて、2020年には17.5億人になると予測されている。新幹線ができたのは、当時のオリンピックが発展途上国型のオリンピックだったからであるが、今回は違うだろう。一体何が生み出されてくるのか、それは政治家にもジャーナリストにも学者にもわからない。