2015年12月22日 16:00
不妊、約1/3は男性側に原因 - 「男性不妊」の治療はいくらかかる? (前編)
○人工授精での妊娠の確率
男性が人工授精ですることは、精液検査と全く同じ。つまり、検査用の清潔な容器にマスターベーションで射精していただき、数時間以内にクリニックに持参する、または院内で採精します。いただいた精液は、精液検査の後、精子洗浄液で運動精子を回収し、子宮内にチューブで注入します。名前は「人工」とつきますが、性交渉との違いは、精子が膣に入るか、子宮に入るかだけなので、あくまでもタイミング治療といえます。もちろん、同周期に性交渉をもっていただいて大丈夫です。
人工授精は、挿入できても射精しない「射精障害」や、勃起しない「勃起障害」の方でも可能です。性交渉だと、「この日に」と言われるとなかなかできなかったりしますよね。そんな時でも、マスターベーションで射精できれば、排卵のタイミングを逃さないので有効です。
なお、性交渉によるタイミング治療での1回での妊娠率は、女性の年齢が20代で約20%、30代で約10%。一方、男性因子がある場合、1回の人工授精の妊娠率は約6~7%です。また、累積妊娠率は3カ月で50%以上になりますが、6回程度で頭打ちになります。人工授精は自費治療で、費用は1.5万円から3万円程度が多いです。