マイナンバーとお金の関係、専門家に聞いた!--「財産は徐々に捕捉されます」
税務当局の中ではつなげようとしていたと思うのですが。これが、マイナンバーによって、申告しない年があっても、あるいは北海道から沖縄に移った場合など、今まで違う番号で管理されていたりしたものが一つになるので、少しずつ、個人の財産が捕捉されていきます。確定申告をしていれば、所得が幾らあったという情報がどんどんたまっていくわけです。10年後、20年後に亡くなるかもしれない人の財産は、こういう感じで、徐々に捕捉されていくでしょうね。
○国から見られている感の窮屈さも
――なるほど。いきなりではないですが、個人のお金の情報が、いろんな形で徐々に捕捉されていくわけですね。小川さんは、国は何を目的に、マイナンバーを導入したとお考えですか。
1つは行政の効率化があります。
基礎年金番号がわからなくなったり、つながってなかったりという、いわゆる"消えた年金"問題もありましたよね。ああいう問題は行政が縦割りでつながってないがために起こったミスです。マイナンバーによってそういう問題はなくなるでしょうから、そういう意味での効率化はあると思います。それから、公平・公正な社会の実現という意味では、本当は所得があるけれども申告せずに生活保護をもらっている人もいるという話を聞きますね。