山田祥平のニュース羅針盤 (61) 進撃するもうひとつのレノボ
留目氏は壇上で「パーソナルコンピューティングはまだまだ実現していない。パソコンは普及しているが、コンピューティングパワーが人々をサポートしている時間はまだまだ短い。これから第2章が開けていく」と宣言した。
そしてそれは、コンピューターメーカーだけでできるわけではなく、他の業界、スタートアップ、生活者とのコラボレーションが必要で、そこでの共創を目指さなければならないというのだ。そこに留目氏の狙いがある。
これからのデジタルワークは、常時、コンピューティングパワーが人をサポートするようになる。さらに、これから団塊ジュニアが両親の介護をしなければならなくなる。そのとき、オフィスでしか働けないのは問題だと留目氏。
さらに、イノベーションのためには、ひとつの企業の中だけにとどまっていてはならない。発想のタネ、ビジネスのタネは、他者とのコラボレーションの中でこそ生まれる。IoTの進化によって、そのスピードは高まる一方だ。今こそ自分自身のアップデートが必要であり、そのためのモビリティだと留目氏はいう。つまり、これから拓ける市場はまだまだあるはずだと氏は確信している。
○ThinkPadのレノボからの脱却
ここのところの留目氏は、コンピュータメーカーの社長らしからぬプレゼンスを見せ続けている。