2016年3月1日 08:00
2020年以降の半導体製造装置業界はどうなる? - SEAJが探る勝ち残り戦略とは (1) SEAJが考えた日本の半導体製造装置産業の生き残り策
このため、大量に発生するデータ(ビッグデータ)とその保管、そして保管されたビッグデータの分析、解析による有効利用を支える半導体デバイスの中心として、SSDなどのメモリやFPGAなどのロジックICの需要は格段に高まることが予想される。2020年~2030年のメモリIC市場成長率(年平均)は、NAND市場が8%、DRAM市場が3.7%、メモリ全体では6.0%と推定される。
一方、IoTで生じる膨大なデータ処理のためには、情報通信網と情報通信機器の性能向上やデータ転送速度の向上が必要である。また、データセンターではクラウドサービスの拡大でサーバPCの台数が数十万台規模で増大するため電力消費量も膨大となる。したがってデータセンター向けには処理速度などの性能向上に加え、低消費電力化が求められる。さらに、基地局やゲートウェイなどの通信インフラでは、通信規格の継続的進化に対応するため、通信状態を保ったままプログラムを書き換えられる事ができるデバイスが必要となる。このような背景から低電力で動作し、かつプログラムの書き換えが可能なFPGA市場の成長を加味すると、2020~2030年のロジックICの成長率は7.2%に伸びると推定される。