くらし情報『世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか』

2016年3月4日 14:00

世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか

世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は3月2日、つくばキャンパス(茨城県つくば市)に建設した電子・陽電子衝突型加速器「SuperKEKB」が試験運転を開始し、ビームの周回と蓄積に成功したと発表した。今後、さらに調整を進め、早ければ2017年末にも電子ビームと陽電子ビームの衝突を実施。2018年秋頃より本格的な実験を開始する見込みだ。

SuperKEKBは、1周3kmという大きな2本の真空リングの中で電子と陽電子を周回させ、それを衝突させる装置。陽電子は電子の反粒子なので、衝突すると対消滅し、このとき、B中間子と反B中間子を生成する(そのため"Bファクトリー"とも呼ばれる)。この中間子が崩壊する様子を詳しく調べることで、宇宙誕生の謎の解明に挑む。

KEKではこれまで、SuperKEKBの前身となる加速器「KEKB」を使った衝突実験が行われてきた。KEKBは1999年に衝突実験を開始。
B中間子と反B中間子の性質の違い(CP対称性の破れ)を観測し、いわゆる「小林・益川理論」の正しさを証明、両氏のノーベル物理学賞の受賞(2008年)に貢献した。

衝突型加速器の性能を表す指標の1つとして「ルミノシティ」

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.