2016年3月4日 14:00
世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか
がある。ルミノシティは衝突の頻度を表す数字で、ルミノシティが高いほど、たくさんの衝突が起こるということになる。KEKBは2001年に、世界最高のルミノシティを実現していた。
現在、素粒子物理学の世界では、これまでの標準理論を超える"新しい物理法則"を発見しようと、研究が進められている。そのためには、標準理論から予想される結果と、実際の測定結果との間の僅かな差を見つける必要があり、これには大量の衝突反応のデータが必要となる。KEKBといえども、全く性能が足りなかったという。
そこで、KEKはSuperKEKBへのアップグレードを決定。2010年6月にKEKBの運転を終了し、2010年より、SuperKEKBの建設に着手していた。
この強化により、ルミノシティは40倍。稼働後数年をかけて、得られるデータ量は50倍となる見込みだ。測定器も、より高性能な「Belle II」に更新する。建設の費用は314億円。
この高いルミノシティを実現するため、考えられる方法は「ビームサイズを小さくすること」と「ビーム電流を大きくすること」の2つだ。SuperKEKBの2本のリング(電子リング/陽電子リング)