くらし情報『世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか』

2016年3月4日 14:00

世界最高の衝突性能を目指す加速器「SuperKEKB」が始動 - 宇宙誕生の謎の解明なるか

の中では、それぞれ、ほぼ光速の電子と陽電子の塊(バンチ)が逆向きに周回。2本のリングは衝突点でX字型に交差しており、ここで衝突が起きるはずなのだが、問題は、電子も陽電子も極めて小さいため、ほとんどが衝突せず、素通りしてしまうということ。

衝突を増やすためには、電子/陽電子の密度を高くするか、電子/陽電子の数を増やすしかない。SuperKEKBでは、この両方を改良。KEKBに対し、衝突点におけるビームサイズを1/20に絞り込み(密度が20倍)、ビーム電流を2倍に高めることで(数が2倍)、合計40倍というルミノシティを実現しようというわけだ。

また、SuperKEKBでは世界で初めて、「ナノビーム大角度交差衝突方式」と呼ばれる新方式を導入した。SuperKEKBは周回するビームサイズを小さくした上で、衝突点でさらに小さく絞っているが、どうしても衝突点の両側でビームが膨らんでしまう。両端が膨れる形から、これを「砂時計効果」と呼ぶ。


正面衝突に近いと、衝突点の中心からずれた場所でも衝突が起こってしまうが、精密な測定のためには、なるべく狭い範囲で衝突が起きて欲しい。離れた場所で起きた衝突は、逆に測定に悪影響を与えてしまう。

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