2016年3月15日 12:00
『アーロと少年』スポットのかわいさの秘密 - ピクサーで活躍する日本人クリエイター語る(2)
って決意したんです(笑)。そして、アート学校に入った時に、CG(コンピュータグラフィックス)が波に乗り始めて、ビジュアルエフェクトに興味を持ちました。
――『アーロと少年』でのシミュレーション・デパートメントは、具体的にどのような作業でしたか?
恐竜たちの皮膚や筋肉の感触を出したり、スポットの髪の毛をほわほわっとさせたり、スポットが腰に巻いているスカートに動きをつけたり、恐竜が踏んだ時の草木や芝の動きなどです。草の場合は、恐竜に踏まれると沈み、足が離れるとゆっくり元に戻るようにするんです。
――特に難しかったシーンを教えてください。
草木は、量が多かったので大変でした。場面によって、激しく揺らしたり静かに揺らしたり。木の1本に対して、もう少し揺らしてみようということになるんです。
でも、後ろを揺らしすぎるとうるさくなってしまうので、絶妙なバランスが求められます。
――思い入れのあるシーンはありますか?
スポットがクシュクシュッてお尻を振るシーンですね。かわいさを強調するために、動きを大げさにしたんです。最初にスカートを思いっきり揺らして、髪の毛の方にだんだん動きが伝わっていくというようにしました。