ひと昔前には、結婚したら退社しにくくなるから転職させるなんてことが大企業でもありました。しかし時代は明確に変わっています。そのような乱暴な人事をすると「ブラック企業」のレッテルを貼られ、大きなブランド毀損となるようになったのです。
会社の都合で機械的に配属を決めるのではなく、社員の立場になってキャリアアップを支援する人事の仕組みを創りましょう。厄介なことだと考えずに、その仕組みこそがコアコンピタンスになるのだという意識で取り組んでいただきたいと思います。なぜならカネもモノも情報も価値が低下した現在のビジネス環境において、人材こそが圧倒的に重要な経営資源になったからです。
また、生活者のライフスタイルは年々多様化しています。かつては出世を望む社員が多数派でしたが、今は一人ひとり自己実現の方向が異なりますね。
仕事よりも家族を大切にしたい、働きながら社会貢献をしたい、将来は地方に住みたいなど、社員によってさまざまな人生設計をもっています。社員と話し合い、彼らのキャリアパスを真剣にサポートしてください。そうすれば彼らは、就業中はもちろんのこと、退社した後も会社を積極的に支持し、ブランドへの共感度を高めてくれるでしょう。