2016年3月22日 09:00
キヤノン「EOS-1D X Mark II」の原点と最新テクノロジーを聞く
は料理で言うところの“適量”であり、経験や蓄積された知識の表れだったのではないかと振り返る。
1986年に発売した「T90」では、有名工業デザイナーであるルイジ・コラーニ氏にコンセプトモデルを依頼し、今のEOSシリーズにつながる曲線デザインのボディが生まれた。また、右肩サブ液晶ディスプレイやボタン、メイン電子ダイヤルの搭載など、おなじみの操作体系はこのT90の時にできあがったとのことだ。
T90が登場した前年の1985年は、ミノルタから実用的なAFを搭載したα-7000、α-9000が発売され、αショックとも呼ばれたムーブメントが起きた。そのような背景もあり、新しい時代を作るために「EOS」プロジェクトがこの頃に立ち上がる。
EOSシステムに移行することで、レンズマウントは従来のFDマウントからEFマウントに切り替わったわけだが、メカニカルインタフェース部分は当時のままであり、開発時代含め30年以上も変わらないのは優秀な設計だったと振り返る。
○フラッグシップ機に求められる要素とは
2000年からは「EOS-1 V」を担当し、初めてフラッグシップ機の開発に携わる。フラッグシップ機はスペックや信頼性、すべてにおいて百点満点が求められるということを感じたそうだ。