2016年3月31日 10:30
半世紀ぶりの"健康診断"を終えた鎌倉大仏に会いに、長谷の街をぶらり散歩
の存在は小さく、経過観察で十分と結論付けるなど、大仏の状態は「おおむね良好」とのこと。緊急の修理は必要なく、調査で取得したデータは解析を進め、4月以降に論文等で発表していく予定だ。
○ガムの付着が130カ所以上
調査・清掃作業の完了を受けて、高徳院の佐藤孝雄住職は、「無事に終えてホッとした」と語る一方で、「安閑としていられない部分もある」という。世界的な問題となっている大気汚染や、海に近い鎌倉ならではの「塩害」の問題に加え、今回の作業でクローズアップされたのが、像の外周に30カ所、内部(胎内)に100カ所以上見つかった、拝観者によるものと思われるチューインガムの付着だ。
付着後かなり時間が経過しているものもあり、像を傷つけないようメス等により少しずつガムの表面を削っていき、溶剤(酢酸エチル)を浸した綿棒で拭き取るという手間のかかる作業が必要なため、除去にかなりの時間を要したという。佐藤住職は、「大仏は国宝仏として希有(けう)な存在。ガムの件は一部の心ない拝観者の所業と思われるが、現在のような(胎内拝観も許す)拝観が今後も続けられるかは、ひとえに拝観者の良心にかかっている」と話す。大仏を改めて拝観してみて、「きれいになられたな」