2016年11月3日 12:00
『お笑い謝肉祭』もBPOの審議対象に…番組をめぐる"規制"は厳しくなったのか?「テレビ屋の声」からひも解く
などの矛盾がつきまとう。
現実の出来事よりも狭い幅で番組を作らなければいけない上に、許される表現の線引きもあいまいであり、その両面で制作サイドの苦労がしのばれる。「批判を避けるために無難な番組を作る」か、「批判覚悟でギリギリのところを攻める」かの2択ならば、前者を選ぶスタッフが多くても責める気になれない。
「テレビ屋の声」では、斬新な企画を連発する『あさイチ』(NHK)の河瀬大作氏が、「規制はあんまり感じないです。本当は、昔から変わらないんじゃないですかね」と語っていた。前述した民放各局の制作者たちと比べれば一目瞭然。「スポンサーの影響を受けない」ということが、どれだけ制作サイドにとって大きいか、ということが分かる。
ただ、「視聴者やBPOの影響を受けている」という点では民放と同じであり、そこからの批判はあまり受けていないのだろう。
これは裏を返せば、「視聴者が本当に見たいものに、できるだけ制限を加えず放送している」ということなのかもしれない。
NHKも『あさイチ』以外は、それほど「批判覚悟でギリギリのところを攻めている」番組はないが、とかく制限の多さが叫ばれ、ネットとの不利な戦いに挑むテレビ業界にとって、ヒントの1つとなり、小さな突破口になることを願っている。