「高橋メアリージュン×女闇金・犀原茜」生みの親・山口雅俊監督がすべてを告白 - 本当は男性キャストだった!? スピンオフの可能性は?
を形作っていきました。『ザ・ファイナル』では、なぜネクタイを巻くことになったのか明らかになります。丑嶋のルーツに触れると同時に、犀原はそこに深く関わるほどのキャラクターへと成長していったのです。
――当然、その時点では『ザ・ファイナル』を想定していなかった。
そうですね。外からの色味をつけようとした時に、犀原が泣きながらクローゼットからネクタイを取り出して巻いている姿がなんとなく浮かびました。
●汚い食べ方と書きづらい名前の由来
○『木枯し紋次郎』から受け継いだ食事の描写
――スプーンを握るようにつかんで、下品に食べるシーンがとても印象的でしたが、そこのヒントは?
食べ方については、原作の滑皮からヒントを得ています。「食べる」という行為は、主要な登場人物を描く上で大切です。
僕がいつも参考にしているのは、市川崑監督の『木枯し紋次郎』。それまでの「渡世人」像は困った人を助けることが多かったのですが、市川監督が生み出した木枯し紋次郎は、助けを求められても「あっしにはかかわりのねえこと」と言います。厳しい境遇ですべての人を助けていたら自分の身が持たなくなってしまいます。結果的には助けてしまうんですけどね。