2023年6月11日 07:00
川谷絵音&萩原みのり、傷ついた経験も表現者としてプラスに「葛藤も何もなければ音楽も生まれない」
僕自身、ジストニアで音楽を辞めていった人も知っていますし、たとえばギターをやっている人でも「このバンドでは弾けるけれど、このバンドでは弾けない」など、そういった精神的な要素もある病気で、「どうしたらいいかわからない」と悩んでいる人も見てきました。ジストニアを題材にした作品で、僕が何かできるならばと思い「やってみたいです」とお話ししました。
――映画初主演ということに対して、プレッシャーはありましたか?
川谷:プレッシャーを感じる余裕もないくらい、とにかくチェロが難しくて(笑)!「チェロが弾けなかったらどうしよう」ということばかり考えていました。撮影の初日からチェロを弾くシーンだったんです。チェロがテーマになる作品でもあり、ミュージシャンとしても演奏シーンをきちんとしたものにしないと「ヤバいな」と。楽器が出てくる映画を観ていると、どうしても演奏シーンが気になってしまうんですよね。僕はレコーディングでチェロの演奏者の方と関わることも多いので、何か言われたら嫌だなと思いました(笑)。チェロをやっている方から見て「おかしい」と感じるような演奏シーンにならないよう、撮影に入るまで毎日練習していました。