映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (1) 権利買い取り、一からシナリオを再構築 (1人目:小岩井宏悦EP)
そこで、持ち込まれたシナリオを書いていた大石哲也さんにそのままシナリオをお願いしました。長い原作なので試行錯誤が続き、1年~1年半ぐらいかけてシナリオを直していったんです。
シナリオがある程度の段階になったところで、監督は三池崇史さんしか考えていませんでした。時代劇アクション、不死と言うファンタジックな世界観と残虐性、そしてエロチシズムとサディズム。この世界観を描けるのは三池さんしかいない。そう確信し、話を持っていったら快諾してくれました。
○最強の枠組みで「私の仕事は終わり」
――そこから配役に。
ええ。
「主演はどうしましょうか」という話になり、三池さんの希望は木村拓哉さんでした。「大きく」するつもりで企画していたので、木村さんはその意味では、最大級ですよね。ただ、木村拓哉さんが、この血まみれになって人を斬りまくる壮絶な万次という役を引き受けてくれるかはまったく予見不可能で、引き受けてもらった時は、三池監督、プロデューサーの坂美佐子さんと一緒に本当に喜びましたね。
おそらく時代劇というファンタジー性の中なので、木村さんにも、人を殺しまくるし100%の善じゃない、そして、残虐性まである万次という役を受けてもらえたし、そして、その決断をしてもらうためには、監督が三池崇史さんであるという要素が一番大きかったんだと思います。