2017年5月19日 18:05
『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を直撃! すべてを見せない演出の美学とは?
たとえばスピルバーグ監督の『未知との遭遇』は大好きな映画だけど、あのラストシーンで、宇宙船に入り、船内を見せてしまうのは間違いだと思った。あの映画から学んだことは、時には見せない方がよりパワフルな印象を与えるということだ。
実は『2001年宇宙の旅』でも、キューブリック監督はエイリアンのデザインまでしていたらしいけど、監督はそれを登場させなかった。それは本当に英断だったと思う。
――ヴィルヌーヴ監督は宇宙人の存在について信じていますか?
もちろん信じている。この広い宇宙で人類だけが存在しているのは、人類のナルシシズムとしても良くない考えだ。実存主義的な観点から言って、人類しか存在してないということはありえない。何らかの地球外生命体はいてほしいし、いるかもしれないという可能性こそが美しいと思う。
――待機中の『ブレードランナー 2049』も楽しみです。
現在、ポストプロダクションを一生懸命やっている。ちょうど音楽やVFXをつけている段階だ。アーティスティックな視点から見てもすごくチャレンジングな作品になった。
何といっても大好きな『ブレードランナー』(82)の続編だから、その世界観を自分なりに咀嚼し、自分ならではのものにしなければいけないから。