くらし情報『動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研』

動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研

などでは説明がつかず、マウスのような小動物にも意識あるいはメタ認知といった能力が存在することを示していると考えられるという。なおオペラント学習とは、1つの行動を取った結果により、その行動を取る頻度が変化するような学習。例えば、マウスがレバーを押すとエサがもらえることを自発的に覚えるような学習のことだ。

今回の研究では、マウスの遺伝子改変技術、覚醒下の行動解析、複数領野の多点同時記録技術そして最新の光遺伝学技術を融合させた世界最先端といえる技術を用いて、今まで実験的に検証が困難であった、意識やメタ認知といった現象の脳内メカニズムの解明を試み、非常に興味深い実験結果が得られたとした。今後は、高周波ガンマ波の位相同期性が海馬-嗅内皮質間以外の、ワーキングメモリに関与する領野にも共通して見られる現象なのか、その検証が待たれるという。

今回の研究では、主に海馬と嗅内皮質における神経細胞集団のガンマ波領域の電気的振動現象と集合的神経活動を中心に解析が行われた。今後は、さらに踏み込んで単一細胞レベルの電気的活動を調べる必要があると、続ける。また、ガンマ波が観測される時に、シータ波が基本波として観測されることが報告されていることから、それらの周波数帯域との結合性が、脳の高次機能に果たしている役割を調べることも、重要な課題の1つになるとした。

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