くらし情報『動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研』

2014年4月25日 19:41

動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研

低周波ガンマ領域やシータ領域の脳波については、こうした変化は見られなかった。なおシータ波は、動物が動き出すと主に海馬や大脳皮質嗅内野で6~12Hzの顕著な定在波として出現し、ガンマ波とシータ波は位相的に密接に結合することが示されている。

またT型迷路の分岐点において、マウスが一瞬不正解を選んだ直後にその間違いに気付き行き先を修正する、いわゆるお手つきのようなケース(おっと、これは間違い!ケース:oops case)も注目された。その解析が行われた結果、海馬-嗅内皮質間の高周波ガンマ波の位相同期性が高くなるのは正解した時のように迷路の分岐の直前ではなく、分岐を通り過ぎた後の間違いを訂正する直前に観測され、時間的にも空間的にもシフトしていることが確認されたのである(画像4)。画像4が自己訂正試行中の神経活動のグラフだ。テスト試行で、マウスが自分の間違いに気付き、進行方向を変更して最終的に正解したようなケースである。T型迷路の分岐を過ぎて、間違ったアームに侵入し、「おっと、これは間違い」と気付いた時に高域ガンマ波の位相同期性が高くなっている(赤い矢頭で示されている部分だ)。T分岐で高域ガンマ波の位相同期性が高くなる正解試行の例と比べると、位相同期性の高くなる時間と場所がシフトしていることがわかる。

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