劇団ひとり、「コンビ解散」が芸能人生の転機 - 20年後の理想は"渡辺正行"
この撮影のときはちょうと見た後くらい。感化されていましたね」と振り返る。
現在40歳のひとりがハタチとなる20年前。当時は、ネタ見せ番組『ボキャブラ天国』が一世を風靡するなどお笑いブームの真っ只中で、若手がアイドルのように人気を馳せていた時代だった。「芸能界で天下をとってやる」。そう意気込んでお笑いの道を歩んでいたひとりだったが、のちに転機だったと言う出来事が起こる。お笑いコンビ「スープレックス」の解散だ。
「『トレインスポッティング』の撮影から3、4年後にピン芸人になったのが芸能人生でいうとターニングポイントだった。
当時は相方に逃げられてショッキングで路頭に迷いました」。
コンビ活動を考えていたひとりにとって解散は予想外の事だった。しばらく相方を探しつつ、芸人を休もうと考えていたが事務所の先輩であるデンジャラスの安田和博から、ある言葉をかけられたという。
「解散したその日に太田プロ(ひとりの所属事務所)の先輩たちが集まってくれた。僕は相方を探すまで休もうかなと思っていたら、安田さんが『ちょっと休むって言って辞めていった芸人は何人も知っている。何かやれよ』と言ってくれた。その言葉が自分の中でえらくしっくりきた。