2023年11月4日 12:00
井浦新、俳優として役を演じきるために必要な“自力”「悩んでいる時間もすごく大きな財産」
いつも安希子のそばには誰かがいてくれて、安希子を思ってくれる人たちはいる。なんて優しい世界なんだろうなという風に感じました。
○■ササポンを演じるおもしろさ「パワーワードをいかに……」
――確かに金銭的な面や仕事の部分だけを見ると詰んだと思うかもしれないですが、人との出会いという部分では安希子はとても恵まれていますよね。井浦さんは、その出会いの1つであるササポンという人物を演じました。
とにかくササポンって、いただいたセリフに無駄がないほど、全部いい言葉なんです。だから、演じるうえでササポンがいればいつもいい言葉が必ず出てくるという風に思われないような人として、この物語の世界の中で生きていたいという思いがありました。
ササポンは、安希子が困ってるときに困っているからその言葉を伝えているというよりも、裏も表もなく感じたことを言ってるだけ。そこには安希子に対しての恋愛感情もないですし、きっとササポンも深く他人に入っていくことは、すごく怖いと思うんです。
だから、いかに“程よい距離感を保ってるから投げられる言葉が、たまたま安希子にとってはすごい刺さっただけ”という見え方にしていけるように意識していました。