2023年11月8日 12:00
斉藤由貴、清純派イメージとは真逆だった40年「自分の思うことを大事に」 声の表現で新たな挑戦
打ち返す先の精度よりも、全部打ち返すことが大事。そういった意味での「適当」ではありますね。
理屈や御託の前にとにかくやる。「できない」「無理」「それじゃ休めない」とかではなく、馬車馬になってもいいから、与えられた仕事はとにかくやらなければいけないと思ってました。そこから初めて自分の意見が芽生えてくるというような生き方だったと思います。
――経験をして乗り越えたからこそ、芽生えるんですね。
そうです。何も知らないうちから「無理」なんて決めつけては広がらない。
正解ではないんでしょうけど、一言で言えば「観てくださる方が納得してくださればいい」というお芝居もしてきたように思います。よく結婚式の披露宴で30分も決められたような祝辞を述べられる方がいらっしゃいますが、それよりも、はちゃめちゃな5分でもいいから心がこもっていて、エネルギーや面白さが内包されたもののほうが心に残るじゃないですか。――確かに。
テレビや映画を観てくださる方も、台本を持って私たちのお芝居を観ているわけではない。肝心なのは、その通りにやることではなく、観てる側に物語の言わんとすることや、そのときの人間の感情の揺れが届くかどうか。