2017年11月2日 17:43
『ブレードランナー 2049』監督明かす"ピノキオ"というキーワード
Kというキャラクターの人生がどんなに悲しいか、彼がどれだけ孤独なのかを話し合ったんだ。実際、ライアンの情熱と妥協の無さは現場でもひしひし感じたよ。
――監督は、レプリカントと人間との関係性をどう捉えて本作を手がけられましたか?
そもそもレプリカントは物なんだ。何かをする目的があって作られたもの。時には人間がやりたくないような作業をする奴隷的な仕事もしてくれる存在だ。だから人間はレプリカントについて同じ市民だとは考えてない。見た目はすごく人間に近いけど、そうではないんだ。
ただ、レプリカントにも感情があり、愛情を抱くこともできる。
ただし、経験があまりないので、どうしたらいいのかわからない。まるで大人の身体をした子どものようなものだと思う。
――Kは、人間ではないジョイに日々癒やされています。2人の関係性についても聞かせてください。
ジョイは『ピノキオ』でいえば、ジミニー・クリケット(コオロギ)の役割なんだ。彼を幸せにするために尽力する存在で、なるべくKの欲望に応えようとする。Kがどんどん欲求を高めていくと、ジョイもそれに応えようとして、よりリアルな女性らしくなっていくんだ。
でも、一見リアルな関係性に見えても、最終的に彼女は単なる幻覚だっていうことに気付かされるんだ。