インテリヤンキーの愉快な地元生活 (1) 大学院卒でも「学区」から出ない!? インテリヤンキーの実態とは
帰り道に近所のおばちゃんが『お腹すいた?』とイモを食べさせてくれたりするんです」
人懐こい笑顔が印象的な藤田さんは臆面もなく幸田町への愛情を語る。市ではなく町レベルの広さと人口であれば、自治体全体を「地元」と認識できるのかもしれない。
幸田町には高校が1つしかないため、藤田さんも中学校を卒業すると同時に地元を離れることになった。といっても、実家から自転車で通える範囲の岡崎市内の県立高校である。
「(全国有数の進学校である)岡崎高校は落ちてしまって、名前を書けば入れるような高校に入学しました。楽をしてクラスで一番になれて、先生とも仲良くなり、名古屋大の推薦をもらいました。(推薦)入試の際もひらめきがあって答案を書き、奇跡の合格を果たしたんです」
調子のいいお坊ちゃんのような発言が目立つ藤田さんだが、決して裕福とは言えない家庭に育った。自由人の父親は長男(藤田さん)が誕生した記念になぜか脱サラ。
幸田町内の山間部に喫茶店を開業した。なお、父親自身の実家は岡崎市にあり、実家は弟たちに任せているという。藤田家は無責任な長男の系譜なのかもしれない。
「高校3年生のときに大学に行くつもりだと親に話したら、『お金がないので地元の国公立でないと通わせられない』ときっぱり言われました。