くらし情報『物体認識で遮蔽物体の欠損視覚情報の補完は初期視覚野で行われる - 京大』

2013年10月29日 09:33

物体認識で遮蔽物体の欠損視覚情報の補完は初期視覚野で行われる - 京大

「見る」とは、決して網膜から入力された光の情報を受動的にありのままに見るということではなく、より能動的な処理過程であるという。

この視覚の能動的な処理過程を示す端的な例として、「遮蔽問題」が挙げられる。ヒトが目にする外界は、無数の物体が重なり合って構成されている。よって、個々の物体に目を向けた時、多くの場合、物体の一部は前面の物体によって遮蔽されていて、その全体像を見られないことが多い。

それにも関わらず、ヒトは隠れて見えない部分をいとも簡単に補完し、個々の物体の全体像を即座に把握することが可能だ。この補完は、被遮蔽部に明確な知覚を伴わず生じる(その部位が明るく見えたり、色が変わったりはしない)ため、「明確なモダリティの知覚を伴わない補完」という意味で、「アモーダル補完」と名付けられている。このヒトにとって当然のこの遮蔽問題を計算で解くことは実は難しく、ロボットに視覚を持たせるコンピュータ・ビジョンなどの実現に向けて解決しなければならない大きな課題の1つのだ。このアモーダル補完は、複雑で断片的な光景から個々の視対象の全体像を知覚するために、視覚系が実装しなければならない重要な機能の1つで、心理学・神経科学・マシンビジョンの分野で長い研究の歴史がある。

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