くらし情報『物体認識で遮蔽物体の欠損視覚情報の補完は初期視覚野で行われる - 京大』

2013年10月29日 09:33

物体認識で遮蔽物体の欠損視覚情報の補完は初期視覚野で行われる - 京大

最近の脳イメージング技術の発展により、大脳皮質腹側(下側)および外側に位置する高次の視覚野で、主に物体の同定(見ている物体が何であるか)に関わる領野であるヒトの脳の「高次物体処理領野(LOC:Lateral Occipital Complex)」(第4次視覚野の前方に位置し、間の物体知覚や顔認知などに中心的な役割を担う領野であると考えられている)では、すでに遮蔽問題が解決されて物体の全体像が表現されていることがわかっていたが、LOCに至る過程、脳のどこでどのように遮蔽問題が解決されているかは明らかではなかった。

今回の研究チームでは、fMRIで取得したデータに解析技術「位相符号化法(Phase-encoded method)」を適用することで、遮蔽物の下を運動する物体が引き起こす脳活動を空間的・時間的に正確に可視化することに成功した。位相符号化法は、視覚研究で多く用いられているfMRIデータ解析手法の1つで、V1やV2などの初期視覚野の「レチノトピー(網膜部位再現性)表象」(画像2)を利用して、視野内で視対象が運動することによって生じる脳活動をうまく可視化する技術だ。

同手法では、まず視野内で視対象を周期的に運動(回転、拡大など)

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