くらし情報『理研など、喘息が起きるメカニズムを新たに解明』

2014年5月16日 17:58

理研など、喘息が起きるメカニズムを新たに解明

と、好塩基球由来のIL-4だけを欠く遺伝子改変マウスが実験に用いられた。通常、システインプロテアーゼ(ここでは、パイナップル由来の「パパイン」が利用された)を点鼻投与すると、3日以内に肺に炎症の原因となる白血球の1種である「好酸球」が大量に集まり、粘液「ムチン」の産生が誘導されて喘息症状が現れるという具合だ。

しかし、Bas-TRECKマウスにパパインを投与しても喘息症状が現れず、肺への好酸球の集積やムチンの産生も顕著に抑制されたのである。同様の喘息症状の抑制は、好塩基球由来のIL-4だけを欠くマウスにおいても認められた。これらから、好塩基球から産生されるIL-4の重要性が示されたのである。

喘息における肺への好酸球の集積は肺に存在するNH細胞から産生されるケモカイン「CCL11」、ムチンの産生はNH細胞から産生される「IL-5」や「IL-13」などによるものだ(画像1)。そこでまず、好酸球の集積やムチンの産生過程におけるIL-4の役割が調べられた。その結果、好塩基球からIL-4が産生されないと、NH細胞からCCL11やIL-5、IL-13の産生が抑制されると共に、炎症に関わるさまざまな遺伝子の発現が抑制されることが判明したのである(画像2)。

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