2024年5月3日 08:00
中村ゆり、“自分は何もできない”からの役者人生 人一倍の意識忘れず「全部自分に返ってきますから」
食べ方や何かを取るしぐさなどの細かい所作も今とは違うので、そういった部分を聞いています。
ただ、自分の中の理想としては、所作をきっちり固めてしまうのも嫌なんです。やっぱり急いでいたら扉をバーン!と開けるだろうし、雑に歩くこともあるだろうし、時代劇の所作にプラスして“生活”というものを表せるように作りたいと思っていて。着物に着慣れておくというのもそういう考えで、ずっときれいに着ている生活ではないだろうと。こういう部分は、現代劇よりも事細かに考えるので、難しいなと思います。
――基礎を作った上で、よりリアリティを求めていくという感じですね。
やはり時代劇は、自分の自然な心理として行動に移すというお芝居ができづらいと思うんです。まず扮装から違いますし、ただ自然に振る舞っていれば良いというわけでもないので、ある程度形を組み立てていって、その先で“自然”に見えるよう意識していくイメージです。
●「命を捨てたっていい」への共感は…
――演じた役への共感は、いかがですか?
おまささんは決して恵まれた環境ではない背景の中で生きてきた方ですし、盗賊の道に進まざるを得ない中でも自分の中の尊厳を失わない。