気鋭監督アンシュル・チョウハン、日本映画界に感じる“自由” 映像制作集団「g」で新作プロジェクトも
低予算で5人だけのチームで取り組みましたが、ストーリー作りから演出に至るまで全てが情熱的で、そこに偽りは何一つありませんでした」
モットーを貫くために、徹底的に調べることにもこだわる。「自分とのつながりを感じることができないものは書けないし、作れません。だから、誰かが誰かを殺すようなストーリーでは殺人者の心理や被害者の家族を知るために捜査報告書などに目を通し、理解できるまでの時間を惜しみません。3作目の『赦し』では、東京高等裁判所まで実際に何度も足を運びました。周りからは“どうしてここにガイジンが座っているのか”とそんな目で見られていましたけれどね(笑)。でも、だからこそ、“後悔とは何か”、“謝罪とは何か”ということを突き詰めていくことができたのだと思っています。正直であるということは、こういうことだと私は思います」
チョウハン監督は映画作りの自身のスタイルに理解を示す日本のエージェントと契約も結ぶ。それが、カンテレの元プロデューサーである重松圭一氏が2023年に立ち上げた映像制作集団「g」である。
「取り組みたいプロジェクトについて話し合うと、目指すゴールが同じであることが分かり、すぐに契約書にサインしました。