気鋭監督アンシュル・チョウハン、日本映画界に感じる“自由” 映像制作集団「g」で新作プロジェクトも
gに参加することはごく自然な流れだったと思います」
○安藤サクラのような「ご一緒したい俳優も」
今後も日本を拠点に活動していくというが、日本の映画界をどう見ているのか。意見を求めると、チョウハン監督は「両面がある」と答えた。
「日本の映画界の問題は、十分な予算がない。それだけです。アメリカではインディーズ映画でも200万ドル(約2億6,000万円)からスタートし、興行収入で得た分を次の映画に投資することができるような良い循環が作られています。つまり、仕組みの問題なのだと思います。日本は政府からの助成金があまり得られないことも現実問題としてありますよね。それから配給会社自ら投資するケースも少ない。
ただ、日本の映画界には良いところがあります。それは、誰がどんな映画を作っても公開できることです。インドでは政府が気に入らなければ公開できないこともあれば、映画祭でも作品を取り下げられることが起こってしまう。それと比べて、日本は自由さがあります。もちろん、映画を公開することは簡単なことではありません。日本は安くて本当に良いものを作らなければならないとても厳しい市場です。濱口竜介監督のインタビュー記事を読んだ時に驚きました。