永瀬廉の“憂いを帯びた声”の魅力 『よめぼく』三木孝浩監督「お芝居になるとふとした瞬間に憂いの部分が…」
を想像したが、読了してみるとそのイメージはかなり異なっていたとか。
「思っていた以上に明るさのあるお話で、非常にまぶしさを感じました。僕が今まで作って来た瑞々しい10代の子たちが一生懸命に生きているさま、みたいなことで言うと、この原作もその印象と近くて。もちろん余命という時間設定はありますが、大人になる過程の中で思春期をどう生きるかということと、ニアイコールだった」
そこには三木が青春映画を作る時、根底に持っている意識が大きく関係している。
「僕が青春映画を作る時は、“自分だったらこういう青春時代を過ごしたかったな”という意識で作っています。今回の余命設定も“自分だったら限られた時間の中でどう生きられるだろうか”と、自分ごととして捉えてみると、今まで作ってきた映画とより近しいものを感じました」
共に残された時間の短い2人=秋人と春奈のラブストーリーを主軸にしつつ、「残された者のストーリーも大事にしたかった」と三木監督は語る。
「命をまっとうして亡くなった2人が、これからも生き続ける人たちに何を残すのかということも、今回描きたかった大きな要素です。人は時に生きる希望を自分の中からではなく、他者から与えられることもある。